インドへの赴任が決まった後、夫の会社の海外赴任者向け説明会に参加しましたが、その中で引っ越しに関する内容の説明もありました。会社から言われたのは、
- 船便・航空便で海外に家財等を輸送してね
- 日本国内に残す家財等をトランクルームに輸送・保管してね
- 日本国内に残す家財等を実家等の指定場所へ輸送してね
の3点で、「これらはすべて同じ運送会社で行います、引越業者はこの中から選んでください」とリストを渡されました。
えー、自分で決めないといけないの?面倒くさーい。
でも海外へ荷物送るの初めてだし、超重要だし
ここは踏ん張りどころかっ!!
重い腰を上げて海外引越業者の調査を始めました。
今日はどういうポイントで引越業者を選定したのか、選定した後に引越業者から教えてもらった海外引越を成功させるヒントについて、書いていきます。
海外引越業者選び方・比較方法
国内の引越であれば、サカイ引越センター、アート引越センター、日本通運、ハトのマークの引越センター、ヤマトホームコンビニエンス株式会社、ハート引越センター、アーク引越センター・・・このあたりの会社に相見積もりをお願いすることが多いと思います。口コミもネット上に転がっているので、比較的選びやすいと思います。
ただ、海外引越しとなると国内とは異なる多くの煩雑な手続きや準備が必要です。また海外引越となると口コミがぐっと減ります。そのため、信頼できる引越し業者を自分で選ぶことが重要です。私が注目したポイントは次の5点です。
品質・国際規格(FIDI/IAM)
FIDIって知ってますか?
私は海外引越業者を調べていく中で初めて知ったのですが、FIDI(Federation Internationale des Demenageurs Internationaux)は、5大陸で100か国以上500社以上の優良な海外引越業者が加盟する世界的な組織のことで、このFIDIが設定する厳しい審査項目(設備、品質管理、リスク管理、社員の適性度など250項目)をクリアすると、海外引越の国際品質規格である FAIM(FIDI Accredited International Movers) を取得することができるそう。FAIM の規格を満たし、FIDIに加盟することで、世界的に高水準の品質が保証された企業として、認められるということです。
ちなみにですが、FAIMに要求される主な品質基準↓(出典:ヤマタネ)
- 下見、梱包からクレーム処理まで一貫した体制を敷いていること。
- 環境保全にも積極的に取り組み、資材のリサイクルや事務所内での備品節約等、資源保護活動を強力に推し進めていること。
- 倉庫の防犯、防火、防虫対策、車両や荷役機器の設備点検、独自の情報プログラムによる検索システム、迅速な事務処理等バックアップ体制が万全であること。
FAIMのほかに、IAM(International Association of Movers)という国際協会もあります。IAMは世界最大級の海外引越業界における団体組織で、加盟国は170国以上、2000社以上の引越、国際輸送、海上運送、ロジスティクス会社が加盟しているとか。
日本国内ならまだわかりますが、海外現地のローカルのところまで品質を管理するって、並大抵のことじゃないと思うんです。相当な企業努力が必要。こういった厳しい海外の基準もクリアしていれば安心でしょう。
ということで、我が家は客観的に品質が優れていると評価されたお墨付きの引っ越し業者にしようと決めました。
ちなみにIAMのサイトで、様々な肩書を持っている会社を検索することができます。こんな感じで。
参照: IAM
実績
サービス提供年数も重要な指標と判断しました。長年にわたり業務を続けている業者は、多くの実績と経験を持っており、トラブル時の対応力も高いと思ったからです。
IAMのサイトで引越し業者を検索すると、「Years in service」が検索結果の左側で確認できます。(上の画像でも確認できるかと思います)
ちなみに2024年5月時点の情報ですが、代表的な企業の例でいくと、下記のように実績年数が表示されます。
- 福岡倉庫(Fukuoka Soko) Years in service: 76
- ジャパンムーブ(Japan Move Co., Ltd.) Years in service: 19
- ヤマタネ(Yamatane Corporation) Years in service: 100
- ヤマト運輸(Yamato Transport Co., Ltd.) Years in service: 19
- 横浜システムムーバー(Yokohama System Mover Co. Ltd.) Years in service: 48
エリア対応
赴任先に支店や提携業者があるかどうかも重要です。現地サポートが充実している業者は、引越し後のトラブルにも迅速に対応してくれます。
引越会社によって、実績豊富で得意な国、日本語対応が可能な国、など国別の状況が異なります。その国の法律や規制に詳しい業者を選ぶことで、円滑な引越しが期待できるでしょう。
夫の会社がくれた海外引越業者のリストには、引越業者別に得意とする国が明記されていました。もちろんインドに強い引越業者を選びますよね。
サービス内容の範囲
提供サービスの範囲も重要です。
- 船便・航空便での輸送、その輸送期間(何か月かかるのか)
- 日本国内のトランクルーム提供
- 実家等への家財等輸送
- 海外輸送前までの倉庫保管(期間)
- 外航貨物海上保険の内容
- 梱包サービス
- 現地での日本語サポート対応
- 訪問見積もり
我が家は上の3つは会社から指定があったので、もちろんその対応ができる会社がリストアップされていたわけですが、それ以外にもどんなところまでケアしてくれるのか、確認しました。やってくれる方がありがたいですからね。
個人的に梱包サービス、現地での日本語サポート対応は必須でした。海外へ荷物を発送するときにどれくらい緩衝材を入れればよいかなんて想像もできないですし、インドでトラブルが発生したときに英語で全部やりとりする自信がありませんでした。
担当者との相性
私は、担当者の経験や対応力も業者選びの重要なポイントだと思っています。結局、会社の人を信用できるかどうかが契約に直結するからです。
メールや電話のレスポンスの速さ、打ち合わせ時の内容(専門性等)を確認し、我が家の荷物を信頼して託すことができるかどうか見極めました。
結果発表
我が家は、以上の点を踏まえて「ヤマタネ」さんに決めました。だって
- IAM・FIDIのメンバー
- 創業100年(老舗)
- インドでのネットワーク・提携先あり
- 梱包サービス、現地日本語サポート対応あり
- 営業担当者めちゃくちゃ親切な方
でしたから。あとは無事に荷物の発送・受け取りができることを祈るのみです。
見積から引越し完了までの流れ
さて、ここからはヤマタネさんに教えてもらった海外引越のステップ・注意事項です。他の引越業者とは異なる点もあるかと思いますが、ご参考までに。
引越しの手続きは以下のステップで進めます。
- 見積:オンラインミーティング・下見のいづれかを選択します。
- 打ち合わせ:荷物の量、渡航タイミング等を考慮し、模範的・理想的な発送スケジュールを作成してもらいます。
- 必要書類・荷物分類の準備:通関に必要な書類の準備、荷物の分類(船便/航空便)を行います。
- 引越し作業:荷物の搬出・輸送・搬入を行います。梱包もしてくれます。
- 現地手続き:通関やその他の現地での手続きを行います。
3.と4.はこちらもやることがありますが、他はヤマタネさんがやってくれるので安心です。
注意事項・引越を成功させるポイント
下見は是非お願いしましょう
写真やオンラインミーティングではなく、実際に下見してもらうことをオススメします。そんなに時間はかかりません。実際に目で見て確認しながら、その場でどれくらいの容量になるのか、計算していただけます。また、意外と忘れているもの、手元にないものもあるので、それらもチェックしてもらえます。
担当者から
「ゴルフバックないんですか?(実家にあることを忘れてた)」
「ズボンプレッサーは持っていく方多いですよ(廃棄しようと思っていた)」
「無印の衣装ケースはそのまま持っていけます」
などなど、その場でテキパキとコメントを頂き、大変勉強になりました。
スケジュールを作ってもらいましょう
下見の際にでも、模範的・理想的なスケジュールを作成してもらいましょう。
我が家は海外引越が初めてだったので、スケジュールの希望を聞かれてもサッパリわからず。
いつ荷物の引取りに来てもらえばいいのでしょうか?
なので「オススメのスケジュール作ってください」とお願いしました(笑)
必要書類の準備は念入りに
通関など海外引越で必要となる手続き・書類に不備があったりすると、荷物の受け取りに相当な時間がかかるそうです。
我が家は先に夫が赴任するので、夫が赴任するときに必要なもの、残りの家族が渡印するときに必要なもの、とそれぞれ時期に応じて細かくリストアップもしてもらいました。
また、必要書類については、紙媒体だけでなくメール・電子ファイルでももらうようにしました。
荷物の分類がカギを握る
「引っ越し当日は梱包するので、特に作業は不要ですが、一番大事なのは荷物の分類です。」と言われました。
航空便、船便とそれぞれ到着する時期が異なるので、なるべくリアルに現地での生活をイメージして、荷物を分類するよう言われました。 ①利用頻度、②使用時期、③重さ で分類するのがよいそうです。
(船便)低←←←利用頻度→→→高(航空便)
(船便)後←←←使用時期→→→即(航空便)
(船便)重←←←←重さ→→→→軽(航空便)
まとめ
海外への引越しは一大イベントです!自分の、そして家族の大切な荷物を海外へ無事運ぶために、業者選びは慎重にしたいですよね。
今日は我が家がどうやって引っ越し業者を選択したのか、そのポイントを記録に残しました。
これから海外赴任を控えている皆様の引越が無事成功しますように!!!(我が家の引越も・・・!!)